和の花
こうちゃんが5年前から通ってる施設がある。
私がまだフルタイムで働いていた頃、預かってくれる施設がどこにもなくて途方にくれていた。
そんなときにお話を聞いていただき、お世話になりだしたのが15名の定員で、高齢者デイサーピスを行っている事業所だった。
こうちゃん以外はおじいちゃん、おばあちゃんばかり。おもちゃがあるわけでも、こども用のプログラムがあるわけでもない。
けど、預かってもらえるだけでも十分だった。
今はこうちゃんの通える施設が急激に増えた。
危なくないよう障害区分で分け、療育プログラムを立て、体操もしてくれる。
送迎もある。ありがたい話。
どの施設でも好きな人を見つけ、楽しいことを見つけているこうせいを見ると頼もしいなぁと思う。
この夏は久々に↑の高齢者デイを利用している。
お迎えに行くと、帰りの車を待っているじいちゃんばあちゃんたちに遊んでもらっていた。
ずらっと一列に並んだじいちゃん、ばあちゃん。
おばあちゃんはこうせいのよだれをふくために立ち上がってくれ、楽器の得意なじいちゃんはハーモニカ演奏を披露してくれた。
”帰れる♪”と思って「あはーん!あはーん!」と言ってたこうせいもハーモニカの音色に神妙な顔。曲調が終わりっぽい、と思うと足をバタバタさせて喜ぶ。ので、おじいちゃんはまた次の曲を披露してくれる。噛み合ってるんだか、いないんだか・・・でも何だか微笑ましい。
その間に、スタッフさんが今日あったことを説明してくれる。「こうせいくんには難しかったと思うんですけど・・・」と。朗読ボランティアさんが来られ、「戦友」という詩を朗読して下さったらしい。14番まであるその詩は、私が読んでもすっと読めないほど難しい。
私はやっぱりこういうのが好きだなと思う。
普段出会わない人に出会って、知らない言葉や曲に出会って、世界を広げていく。
これを最近よく聞く言い方で言えば、「ほったらかし」とか「子供が楽しめるものが何も無い」ってことになるのかもだけど。
親が思う”子供の楽しみ”と子供が思う”私の楽しみ”は同じなんだろうか?
今まで点や線のように見えたじいちゃんばあちゃんの動きが、面に見えたこの日。
家から遠いし、送迎も面倒くさい。全然飲み食いもしなかったらしいけど、やっぱりここに来たいなって思った一日だった。
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